時折のことば 2023/04/10

畢竟、人間とは、さまざまな形式と内容からなる <交換>を繰り返して生きていく存在だからだ。 『scripta』ある巻のある一篇より たまたまこの世界に生まれ落ちた日、太陽が天秤座の空に在ったというだけのことだが、いつから...

時折のことば 2023/04/02

カスタネダがドン・ファンと知り合った最初のころ、カスタネダは彼の親族関係や系譜に関する、 文化人類的な調査の項目をたくさん用意し、ひとつひとつチャックしていこうとする。 しかしこの企ては「わしには履歴なんぞないのさ。」というドン・ファンの一言ではぐらかされてしまう。 「履歴を消しちまうことがベストだ。そうすれば他人のわ...

アポトーシスし損ねた愛の行く末──映画「エゴイスト」鑑賞に際しての覚書

他者を愛することは難しいと日々感じている。だって、他者への愛の中に、気づかぬ間に自分のエゴが入り込んでしまうことがあるから。他者を愛しているようで、実は自分を愛しているだけに過ぎない時がある。他者を道具にして、いや、道具にしないと自分を愛することができないって残酷だ。 でも、愛ってなんだろう、エゴってなんだろう。

時折のことば 2023/02/14

「今、南東アラスカの海を旅しています。」 星野道夫『旅をする木』 おかゆちゃんの「消費生活」に触発されて、私も今日から「時折のことば」を始めます。 朝日新聞朝刊で連載されている鷲田清一さんの「折々のことば」のように、生活...

「恋愛」という無色透明なレンズが色付けされたとき──映画「そばかす」鑑賞による思考の記録

「結婚適齢期」と世間的に呼ばれるような年代に差し掛かった私だが、近ごろ自分の想像や理解をあっという間に追い越すように「結婚」にまつわる大波が次々と押し寄せてくるようになった。 と言っても、「毎週のようにInstagramでは誰かが結婚報告をしている」とぼやく周りの友人のようにはいかず、私の周りではごく限られた数ではあ...